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よくかんでたべること

そのままのみこまずに、ね。

万年筆事始め

福田和也の本を読んで万年筆に興味を持ったけど、でもお高いんでしょう?と尻込みしていた。
以前、人の借りて手に取ったらその書き味が柔らかくすばらしくて、しかも汚い私の字もそこそこ読みやすくなるので、ずっと忘れられないままだった。

今日も何だか調子が上がらなくて何かわくわくするものを探していたら、万年筆を思い出した。
とぼとぼと近所の文房具屋さんへ話を聞きに行ってみた。

ここの文房具屋さんのおかみさんは押しがちょっと強いけど、商品一つ一つに愛情を持っているのがよくわかる。
以前ここでおかみさんの猛プッシュに後押しされて三菱のJetStreamの高めのペンを買ったのだけど、予想以上に気に入って大活躍している。おかみさんに聞いたらきっと何か教えてくれるに違いない。

お店へ入るといつもように、間髪入れずおかみさんが飛んできた。
万年筆を使ってみたいのですが、まずどうしたらいいでしょうか?と切り出してみた。
するとおかみさんは目を丸くして、万年筆に関する問い合わせはぜんぜんないので本当に驚いた、と言った。

最近はゲルインキが主流だし、万年筆が本当に好きな人はあらゆるパーツや銘柄もすでに決まっているから、店頭でそろえていないらしい。

万年筆は長い間つかっているうちに手になじむだけでなく、ペン先も自分にあったかたちになっていくそうだ。
近所の進学校の卒業祝いに万年筆を納入したことがあったそうだが、その時に生徒さんに、書き味で気に入らないかもしれないけどずっと使ううちに必ずあなたにあうようになってくるから、あきらめないで大切に使ってね、と言ったという。

ここまで聞いたら心を動かされない訳が無い(笑)ください!と私は即座に叫んだ。

おかみさんは店頭にあった一番お手軽な、使い捨ての万年筆(と言われたけど、この日本語おかしくない?)を出してくれた。
これを使い切ってからまた考えてほしい、とおかみさんは目をしっかり見開き力強く言った。そしてインターネットでどんどん情報収集してね、気になる物があったら取り寄せるから、と付け加えた。そして、久しぶりに万年筆の話ができて本当にうれしい、と本当にうれしそうに見送ってくれた。

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